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道コン合格可能性「2%」からの奇跡

16日、公立高校の合格発表が行われました。ご両親と塾に報告しに来てくれたH君の嬉しそうな顔を見て、「信じれば願いってかなうんだなあ」と改めて思いました。

Bテストが終わって去年の10月23日に行われた第3回北海道学力コンクール。
H君の結果はI高校合格可能性2%。正直、ここからの逆転合格はさすがに私も経験がありません。完全に無理だと思ってました。

クラブチームでこの時期でも活動しており、塾に来ても疲れてすぐ寝てしまいます。全然身になっている感じがしなかったからです。
この結果を前に志望校を再度聞いてみましたがH君は決して変えようとしません。完全に言行不一致です。

「どうしてもI高を受験したいの?合格したいのなら少なくとも勉強に集中する環境を作って」とクラブを引退して勉強に打ち込むことをすすめました。実はその前からこのことは何度も言っていたのです。そして
「本当に挑戦したいのならやってみればいい。2%だから死ぬほどやってももしかしたら届かないかもしれないけど、あきらめなかったら人生何が起こるかなんてわからない。結果はどうでも後悔しないと思うのなら挑戦してみな。」と言いました。

私は、一般的には無謀と思える挑戦でも、子供がどうしても、というのなら私は目標を曲げずに受験するべきと思っています。
まだ中学生でありながら自己責任で挑戦をしようとする気持ちが何より尊いと思うし、可能な限り努力してたとえ落ちたとしても、その子の人生にとってインパクトのある出来事になるはずです。だれかが言っていましたが、「がんばらなかった後悔をする人はいても、結果で後悔する人はいない」からです。

さて、がんばると言ってはいたものの、私はH君の学習内容に満足はしていませんでした。学習方法がブレすぎるのです。2人で話し合いをしてこの教材をこういう風に仕上げていこうと決めたことが中途半端だったり、すぐ違う事に手をつけて散漫になってしまうのです。成績が伸び悩む子供の典型的な「くせ」がなかなか治りませんでした。11月になってもH君の成績は好転せず、この時の道コンも多少良くなったとはいえ合格可能性15%です。

その後の3者懇談の後、志望校決定のタイミングで再び聞いてみました。てっきり、安全圏の高校へ志望を変えてるものと思っていました。ところがそこでもなぜか絶対に変えようとしないのです。
最終1月末の道コンも合格可能性は25%。絶体絶命です。最終出願状況のI高の倍率は1.4倍でした。もしかしたら出願変更で変えてくるかな、と内心思っていました。ですがH君に全くそんなそぶりはありません。

しかし、この頃からI君の学習態度に変化が出てきたように思います。残りは1ヶ月です。
冬休み中の学年末テストへの取り組みで冬季学習会参加の子供たち全員で一斉で競い合う「仕上げドリル」を重ねていった結果、校内順位がかなり改善しました。受験前に上昇傾向が見られたのです。
そしてこの後私たちが行ったのは「入試過去問合計10年分」を3回繰り返すという『徹底』です。これは本当に負担が大きかったと思いますが、H君をはじめとする「挑戦者たち」は全員ついて来てくれました。H君も集中してやりきるようになっています。実践(OUTPUT)と同時に重要な基本事項の確認(INPUT)を家でも取り組むなど学習のブレがなくなってきました。その様子に私も手応えを感じていたのです。

H君は見方を変えれば頑固で無謀という事になるのかもしれません。しかし、まだ中学生が「自分の意思で」「自分の決めた人生を」進んで行こうという思いは本当に素晴らしいと思うのです。中学生の頃はどうしても親に口うるさく「勉強しなさい」と言われ、誰のために勉強しているのかを見失い、自分のことなのに自分のこととして考えることができない子供が多いのです。私の中学生時代も同じで、「やらされる」勉強でした。なぜ、そんなに「いい高校」に行かせようとするのか理解できなかったのです。

伸び盛りの、人生で一番エネルギーのある年頃にこそ、夢や希望を持って、自分の意思で自ら人生を切り開いて欲しいのです。そこで得た「成功体験」は果てしなく大きな財産になるはずです。この先、長い人生において多少困難なことがあったとしてもやればできる!と思えるのですから。

 

 

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